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「いやぁ~…大冒険だったね。恐ろしい罠だった…」
「大冒険ってなんだよ。オメーが鈍臭いだけだろ。罠ってなんだよ。ただ家のあちこちに接触してただけじゃねーか」
「黙れ。オレにとっちゃ大冒険だったんだよ。大人の階段を1つ越えてきたんだよ」
「じゃあもっと冒険してこい。そんでジジイの階段まで越えてこい。そして戻ってくるな」
見苦しい言い争いから産まれた言葉が、小さな部屋を埋め尽くす。
後で掃除しないと…
「つーか誠。何だこの荷物の量は…とても一泊だけ泊まる人間の荷物には見えないんだけど」
積み重ねられた荷物を指差しながら呟くポンタに、オレは
「普通だろ」
そう言い返してやった。
「いや、普通の人間は宿泊の荷物に布団なんて入れないからね?」
「自分の布団が一番寝やすいんだよ。お前ん家のくせー布団なんかで寝れる訳ねーだろ」
「おい。誰かこの恩知らずをぶっ飛ばしてくれ」
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