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ハゲがオレの頭にゲンコツをしている姿を想像しただけで、何だか腹が立ってきた!
オレまでハゲたらどうしてくれんだよ全く!
「あの、誠様……聞きたいことが…」
「大丈夫だよ香!オレはハゲない!じいちゃんも親父もフサフサだから!」
「あ、それはおめでとうござい……いや、そうじゃなくて…」
あれ?何だか話が噛み合ってないなぁ…
というより、話をズラしたのはオレか。オレのせいか。
「美玲ちゃんはどうしたんですか?」
「美玲?」
香の質問にハッとした。
そういや今日は美玲を見ていない。
いつもなら、頼んでもいないのにガバチョーって抱き着いてくるのに…
今日はそれがない。
香に気付かされなければ、気にする事はなかったと思う…
でも、気付いた。気付かされた。
美玲が居ない事に。
別にどうでもいい。むしろ居ない方が気が楽だ。
それなのに…
胸にポッカリと穴が空いた感じがする…
大切な何かが失くなった…そんな感じ…
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