また、日常へ…

33/75

46312人が本棚に入れています
本棚に追加
/620ページ
「いや、しかし苦労したぜ… 呼ばれた倉庫に行ったのに、そこに居たのは知らん顔の男ばっかり… 肝心な美玲の姿はどこにもなかったうえに、男共はいきなり鉄パイプを振り回し出すし… でも、美玲の居場所も聞かにゃならんかったもんだから、逃げる訳にはいかなかったしな」 大きなため息を吐き出す誠。 目を凝らすと、誠の顔の所々に小さな傷がついていた。 おそらく、誠は逃げたのではない… 戦ったのだ。 顔の傷はその時のものだろうが… 40人相手にその傷で済むのは… 「じゃぁ…まさかてめぇ……40人全員…倒したってのか!?」 「仕方ねーじゃん。普通に美玲の居場所を聞いても答えてくれなかったんだから」 「ありえねぇ!ありえねぇ!ありえねぇ!」 悔しそうに鉄パイプを地面に何度もたたき付ける銀髪の男。 まぁ、確かに…めちゃくちゃだ… その「ありえねぇ」には、激しく同意する… 「オレだって無駄なケンカはしたくなかったっつーの」 「くっそぉ!おめぇら全員出て来い! 全員でやっちまえぇぇぇ!」 その叫び声は、倉庫全体に響き渡り、倉庫のあちこちから多数の男が武器を持って出てきたのだ。 人数はざっと10人程… 一般人にしてみれば、十分危ない状況なのだが… 誠は笑っていた…
/620ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46312人が本棚に入れています
本棚に追加