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「いや、しかし苦労したぜ…
呼ばれた倉庫に行ったのに、そこに居たのは知らん顔の男ばっかり…
肝心な美玲の姿はどこにもなかったうえに、男共はいきなり鉄パイプを振り回し出すし…
でも、美玲の居場所も聞かにゃならんかったもんだから、逃げる訳にはいかなかったしな」
大きなため息を吐き出す誠。
目を凝らすと、誠の顔の所々に小さな傷がついていた。
おそらく、誠は逃げたのではない…
戦ったのだ。
顔の傷はその時のものだろうが…
40人相手にその傷で済むのは…
「じゃぁ…まさかてめぇ……40人全員…倒したってのか!?」
「仕方ねーじゃん。普通に美玲の居場所を聞いても答えてくれなかったんだから」
「ありえねぇ!ありえねぇ!ありえねぇ!」
悔しそうに鉄パイプを地面に何度もたたき付ける銀髪の男。
まぁ、確かに…めちゃくちゃだ…
その「ありえねぇ」には、激しく同意する…
「オレだって無駄なケンカはしたくなかったっつーの」
「くっそぉ!おめぇら全員出て来い! 全員でやっちまえぇぇぇ!」
その叫び声は、倉庫全体に響き渡り、倉庫のあちこちから多数の男が武器を持って出てきたのだ。
人数はざっと10人程…
一般人にしてみれば、十分危ない状況なのだが…
誠は笑っていた…
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