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「うっ……が…!」
殴り飛ばされた顔面を押さえ、苦しそうに唸る男。
指の隙間からは、大量の血が流れ落ちている。
あの出血量…おそらく鼻の骨はコナゴナだろう…
「くっ…そ……! バケモノめ…」
ギロリと誠を睨む男。
しかし、どれだけ誠を威嚇しようが、今の血まみれの姿では何の迫力も持たない。
実際、誠は涼しい顔で男を見下ろしている。
「バケモノ…か。今のオレには最高の褒め言葉だな…
少なくとも、レイよりも上位ランクのバケモノであって欲しいね…」
そう言って、ニヤリと笑う誠。
誠の奴…またレイに挑むつもりのようだな。
まぁ、今の誠なら…
「さて…銀髪頭。まだ終わっちゃいねぇだろ? さっさと立てよ…」
「は…?」
指をバキバキと鳴らし、誠は男にそう言い放った。
頬をピクピクと痙攣させ、大量の冷や汗を流す男。
「ま、待てよ……オレはも動けね」
「まだ「意識」はあるじゃねぇか。悪いがオレはお前が気絶するまで殴り続けるつもりだから…
人の大切な「モノ」に手ぇ出しといて、その程度で済むと思ってんじゃねーぞ」
もう気絶しそうになった(良い意味で)。
たたたたた、大切な「モノ」!?
それってもしかして私のことか!?いや、私のことなんだろう!?
誠が私を大切なモノと思っていてくれたとは…!
いかん…鼻血が出そうだ…!
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