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「……くっそ!ダメだ、固くてほどけねぇよ。ワイヤーだから素手じゃ切れねーし…何か使えそうな道具がねぇか探してくる!」
そう言って倉庫の奥へと走って行く誠。
どうやら、相当固く結ばれていたようだ。
先程まで何も感じなかった手首も、今になって急に痛みだした。
誠が助けに来てくれた事で、気が緩んだせいか…
「はぁ…こんな汚い場所なんか早く抜け出したいのに…」
「そうはさせねぇよ…」
!?
驚いた…
ボソリと呟いた独り言に返事が返ってきたのだ。
「ヒヒヒッ…! 何だ、龍崎は居ねぇのか…」
「ッ!貴様ッ…!」
声の主は、銀髪頭の夜咲と呼ばれていた男だった。
倉庫の入口のドアにしがみつき、今にも倒れてしまいそうな程にフラフラとした足で、そこに立っていた。
「ハァ…ハァ…!くっ…!龍崎のクソがっ…このオレの顔面を殴り飛ばしやがって…! タダでは済まさねぇ!
もう犯罪だろうが何だろうが知ったこっちゃねぇ!ここでお前ら2人ともぶっ殺してやるッ!」
そう叫ぶ男の手には、ライターが握られていた…
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