また、日常へ…

37/75

46312人が本棚に入れています
本棚に追加
/620ページ
「……くっそ!ダメだ、固くてほどけねぇよ。ワイヤーだから素手じゃ切れねーし…何か使えそうな道具がねぇか探してくる!」 そう言って倉庫の奥へと走って行く誠。 どうやら、相当固く結ばれていたようだ。 先程まで何も感じなかった手首も、今になって急に痛みだした。 誠が助けに来てくれた事で、気が緩んだせいか… 「はぁ…こんな汚い場所なんか早く抜け出したいのに…」 「そうはさせねぇよ…」 !? 驚いた… ボソリと呟いた独り言に返事が返ってきたのだ。 「ヒヒヒッ…! 何だ、龍崎は居ねぇのか…」 「ッ!貴様ッ…!」 声の主は、銀髪頭の夜咲と呼ばれていた男だった。 倉庫の入口のドアにしがみつき、今にも倒れてしまいそうな程にフラフラとした足で、そこに立っていた。 「ハァ…ハァ…!くっ…!龍崎のクソがっ…このオレの顔面を殴り飛ばしやがって…! タダでは済まさねぇ! もう犯罪だろうが何だろうが知ったこっちゃねぇ!ここでお前ら2人ともぶっ殺してやるッ!」 そう叫ぶ男の手には、ライターが握られていた…
/620ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46312人が本棚に入れています
本棚に追加