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「ぅおぉぉぉぉッッ!!」
誠の叫び声とともに、斧は振り下ろされた。
私も、斧で切れる範囲を出来るだけ広くしようと、力の限りワイヤーを引っ張る。
そして…
ガンッ!
斧と地面が接触する音が響き、それと同時に私の手を縛っていたワイヤーはブチッという音をあげながら切れた。
「うぉぉおおお!!?切れた!?切れたよな!? 美玲!手は残ってるか?落ちてないよね!?」
「うむ。ちゃんとくっついているぞ」
私は立ち上がり、誠に自分の手を見せる。
それを見て、誠はホッと胸を撫で下ろす。
まぁ異常があるとすれば、ワイヤーで締め付けられた手首だけだ。
ふはは!やはり私の夫は頼りになるな!
「よかった…怖かったから目を瞑って切ったんだけど…」
…は?
「おいぃぃぃいいいいい!!?」
タイタニックじゃあるまいし…
奇跡にも程がある…
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