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「ハァ…ハァ……ぐっ…!」
隣に居る誠の様子がどうもおかしい。
さっきから妙に息遣いが荒いし、ずっと下を向いている。
「…誠?大丈」
どこか体調でも悪いのかと、心配になった私は、誠の肩にそっと手を乗せた。
その瞬間だった。
ボタッ…
誠の顔面から何かが落ちたのだ。
さらに…
ボタッ…
ボタッ…
次々と誠の顔から徐々に落ちるソレは、地面に大きな赤い水溜りを作り出す。
「…! 誠っ!お前ッ…!」
そう…
それは血だった…しかもハンパな量じゃない…
「ワリィ…美玲…ちょっと立ってんの疲れたから座らせてもらうわ…」
そういって、壁を背にズリズリとしゃがみこむ誠。
爆風で吹き飛ばされた時の傷が広がったのか…!
「ちょっと待っていろ!今すぐハンカチで止血を」
「あぁ…別にいいよそんなもん。そんな事よりさ…オレ出口見つけちゃったかもしんねぇ」
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