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ここはどこ? 真っ暗で先が見えない。
今までのことを、思い出してみよう。
今日は雨だし顧問の先生も出張だったから部活はなくて、早い便のバスにギリギリ間に合うと思ってバス停へ向かってたら、日誌を書いてないことに気付いて、急いで学校に戻ったんだ。
教室に着いたら如月君がいた。
あたしは自分の席について日誌を書いて。
それで確か書き終わってシャーペンを……
そうそう。
シャーペンを机に置いたときから先の記憶がない。確か目の前が真っ暗になったんだ。
だからここは夢の中なのかな。
でもどうしていきなり……何かの弾みで気絶しちゃったのかな?
とにかく早く起きなきゃ。如月君、絶対驚いてる。迷惑かけるわけにはいかない。
「……陽子」
……?
気のせいかなあ。誰かが私をよんでいる。
「陽子」
ううん。気のせいじゃない。
女の子の声だ。
でもどこから聴こえるのかなあ……。暗闇でわからないよ。
「陽子、交代」
私の目の前に、何かがぼんやりとあらわれた。
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