6月の雨

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  あたしは頭だけになった。首から全て液体になってしまった。 雨音はあたしの頭を、両手で挟むように持った。 そして何かの合図のように、ぱちりと大きな目をつぶった。 「っ!?」 その瞬間、あたしの口から黒い液体が吹き出す。 目からも耳からも鼻からも。溢れて、とまらず流れ続ける。感覚はない。意識も薄くなっていく。雨音の顔が、ぼやけている。 目から流れる黒いものに混ざり、かろうじて透明な涙が流れた。 口はもう溶けて無くなってしまったけど、形にすれば、同じ単語を繰り返している。 “ごめんなさい” もう無い喉で、叫び続けた。  
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