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「ごめんなさい。巻き込んじゃって。このことを知ったのが、如月君だけだったから、あたしはここに来たんだと思う。……本当にごめん」
俺が意味もなく教室に残っていたことに問題がある。木下さんのせいじゃない。
「誰も予測できなかったことだし、木下さんは謝る必要ないよ」
ただでさえ、混乱してるんだろうし。
「……っありがとう」
木下さんの声は、ぱあっと明るくなる。持ち前の明るさでなんとか立ち直ったらしく、少し安心した。
「あと……言いにくいことなんだけど」
また木下さんの声色が暗くなった。
「なに?」
「あたし……この部屋から、出られないみたい」
「……え?」
俺は酷いめまいを感じた。
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