きりんの涙

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私はすぐに車を出し、テレビ局に向かって走り出した。 「今日はお昼までドラマの撮影、午後にバラエティー1本、合間に雑誌の取材が2本あります。新番組の打ち合わせが延期になったので今日は早く帰れますよ~」 前方を注意しながらも、バックミラーで浅田さんの顔をチラチラ見ながら話しをした。 「何時に終わりそう?」 「何もなければ20時には帰れると思いますよ!!」 今日の予定も十分ハードだけれど、毎日夜中までびっしりなので久しぶりに友達や仕事仲間とゆっくりご飯に行けるから喜ぶと思った。 でも、浅田さんは窓の外を見ながら、 「そっか…」 と、言ったっきり黙り込んでしまった。 少しがっかりしたけれど、寝不足続きでいつも朝はテンションが低めだからあまり気にしなかった。 テレビ局に着くまで、そのまま2人とも何もしゃべらなかった。
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