きりんのこころ

きりんの噂

「ひ…人違いです…」

そう言って早足で逃げようとしたけれど、あっという間に囲まれてしまった。

「あんたさぁ。マネージャーだかなんだか知らないけど何様なわけ？」

「あたしらの航ちゃんに手ぇ出さないでくれる？」

「ってか全然可愛くねーし。こんな奴と噂になって航ちゃんかわいそー。」

3人は私をジロジロ見ながら口々に言った。

この子たち…今日の収録で番組観覧に来てた浅田さんの熱狂的ファンの子だ。

3人とも手には傘が握られていた。

…やっぱりまずい。

「ご…誤解ですから。私と浅田航生の間には何にもありま…っ!!」

私が言い終わる前に一人の子が私の左頬をビンタした。