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それが合図だった。
3人は次々に私に襲い掛かった。
うずくまる私の髪を掴み、お腹を蹴り、傘で突き刺した。
助けを呼ぶにも、誰も通らない。
痛いよ…
だれか…
助けて…
どれくらいの時間が経ったのだろう。
私には何十分にも感じたけれど、実際は5分くらいしか経っていないと思う。
女の子たちは、「ざまあみろ」と吐き捨てて帰っていった。
シーンと静まり返る道路に、私一人がうずくまる。
髪はぐしゃぐしゃに乱れ、白のコートは泥まみれ。体中が痛くて動けない。
そして、なによりも…
怖かった。
抵抗しようと思えばできたのかもしれないけれど、怖くて体が動かなかった。
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