きりんの噂

17/20
前へ
/138ページ
次へ
助けて…   ガタガタ震える手で携帯電話を取り出し浅田さんに掛けた。 自分でもわからないけれど、無意識のうちにそうしていた。 しかし、電源を切っているのか掛からなかった。 次に、一緒にいるはずの岡さんに掛けた。 手が震えていて、なかなかボタンを押せない。 プルルル… 岡さんはワンコールで出た。 「もしもし?かなちゃんどーした?航生ならコンビニ行っててここにはいないよ~」 「岡さ…」 岡さんの声を聞いた途端、なぜかすごく安心して涙が溢れ出した。 「たすけて…くだ…怖い。こわいよ…」 「かなちゃん!?どーした!?何があった!?今どこにいる!?」 岡さんは、私の声を聞いて、ただ事ではないと思ったのか、さっきよりも大きな声で早口で言った。
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

203人が本棚に入れています
本棚に追加