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「…そっか。」
浅田さんは、明らかにまだ納得していなかったけれど、そう言うと下を向いて黙ってしまった。
ハンドルを回すたびに腕に痛みが走る。
それと同時に、昨日のことを隠すためこれからも嘘をつき続けなければいけないと思うと、心も痛んだ。
…社長に報告した方がいいかな。
でも、そうすると浅田さんにも知られてしまう。
唯一相談できる岡さんは海外だし、どうしていいかわからなかった。
二人とも無言のまま次の現場に着いた。
そして、その現場の控室でも打ち合わせ以外はほとんどしゃべらなかった。
シーンと静まり返る部屋で、パラパラと台本をめくる音だけが響く。
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