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「かーなーちゃーん!!大変たいへーーん!!」
廊下に響き渡る浅田さんのでっかい声に慌てて楽屋へ走ったけれど、内心「またか…」と思い小さく溜め息を吐いた。
「すみませんっ。電話してたので…どうしました!?」
楽屋のドアを開けると、脱ぎ捨てた服や食べ散らかしたお菓子、くしゃくしゃの台本に囲まれて、浅田さんは上半身裸でうろたえていた。
「かなちゃん…ボタンつけてくれる?」
浅田さんはそう言って私に水色のストライプのシャツを渡してきた。
それと白い小さなボタン4つ。
…4つ!?
「ちょっとー!!浅田さん、またボタン外さないで無理矢理脱いだでしょ!!」
私がそう言うと、浅田さんはお母さんに怒られた小学生のように口をすぼめて、
「だって面倒くさいんだもん」
と言ってすねた。
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