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「よし、お前ら席につけ」
教室の扉が開き、偶然の女神の助けが担任を呼び込んでくれた。
メリアさんはちっ、と舌打ちして、自分の席に戻っていった。
「ああ、新学期が始まって俺のまたつまらない教師生活が始まるわけだが、お前ら、夏休み中に彼氏彼女なんかできてないだろうな」
担任としての挨拶がそれかー!?
「素直に手を挙げろ。今なら拷問なしに死刑だ」
おおおお!!
教室の中に獣の雄叫びが響く。
声を出していないのは僕や晃、メリアさんだけだ。
なんてクラスだと改めて思う。担任も問題だが、それに同調するクラスメートも問題だ。
「いいか、彼氏彼女なんかつくる奴は人類の敵だ! つまり七星! お前は人類の敵だ」
そして案の定、僕に矛先が向いた。このクラスで彼女持ちが判明している唯一の存在だからだ。
一気に殺意のこもった視線が僕に向かってくる。先ほどまでの気だるさなど露ほどもない。
新学期早々にこれじゃあ、いつか背中からバズーカ砲を撃たれる。
「だが…今はやめといてやる。色々と報告もあるからな」
爆発寸前の爆弾みたいなクラスが担任の一声で沈静化した。
「まず…英語担当の西岡先生が急病で休職された」
クラスの所々から、わっと歓声に似た声が上がる。おそらくは夏休みに出された課題が終わっていないのだろう。
「だから、課題は俺が回収する」
ええ、と今度は悲鳴が上がる。
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