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―その様子を、同じ高層ビルの屋上の陰で見ている二人、彼らもまだまだ若い男女だ。
先に女の方が隣の男に話し掛ける。
『…サニ、…よく見とけよ…これは今までやってきたどのミッションとも比べものにならねぇ…』
サニ、と呼ばれた男が言葉を返す。
『…分かってるよ…』
少しやる気がない感じもするが、その手にはしっかりと拳銃が握られている。彼女もまたしかりだ。
『…さて、行くぞ…!』
立ち上がり、サニをあおる。
『…ミース……、ああ…行くか…』
二人が立ち上がると、前方の金髪の男に向かい、足を進めた。
『(…全く…何でこんな風になっちまったかね…不思議でしょうがないよ…)』
『…おら、ボサッとしてないでさっさと行くぞ』
サニを軽く小突く。
―その数秒後、あの戦いが始まるその時に、彼女は笑みを浮かべながら、こう言ったのだ。
『…さァて』
『戦争の始まりだ…!』
―2011年、1月1日
それはくしくも、俺がミースと出会ってからちょうど一年が経った日だった…。
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