好きのカタチ。

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慌てて飛び込んだ教室 先生達の職員会議が長引いたとかで、遅刻は免れた。  よかったぁ…  いっくん(担任)、怒ると怖いんだよな…。 思い出して軽く身震いしていると 隣の席に座る成都がワックス片手に、  「……ゆみ。髪、今のうちにやってやるから頭貸せ。」 と言いながら、オレの髪をくしゃくしゃにした。 「よけい崩れた…。セット頼みマス。」 自分でやるより  成都にやってもらう方がいい。  なんて言うか、、 触り方が気持ちいいんだ。 「~~♪~~♪♪」 がやがやと騒がしい教室  それに紛れて鼻歌を歌うオレは  きゅッと、眉間にシワを寄せた成都の表情に気付くことはなかった‐…。  「……今日、先帰ってろ。」 昼休み  どこかに姿を消していた成都からの、開口一番。  「……え、何で?…普通に待ってるよ?」 いつもなら、    “待ってろ” って、言うくせに…  「……いいから。」 悪い、と言って  くるり  背を向けた成都  ………何なんだよ、本気で…。  いいよ、1人で帰るから!  その後 オレは、寂しく机に伏せてふて寝した。   .
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