好きのカタチ。

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ざわざわと騒がしい教室。 自分の隣の席を見れば、たくさんの女の子に囲まれた成都。  ずきり、  心臓が痛んで  同時に苛ついた。 お前が好きなのは、オレじゃねぇのかよ?  からかわれた、とも思った。 あの日、成都はきっと誰かに告白されてたんだ。 もしかしたら雪片に? 雪片可愛いし、 OKしたのかも…。 「……成都。」 放課後  その名を呼んでも  “ゆみ”って、返ってこなくて  呼べよ…  いつもみたいに  しょうがねぇな、ゆみは…。 って、  呆れながら笑えよ…!!  「……な…つ…」 放課後  誰もいなくなった教室で オレは、初めて1人で泣いた。 いつもなら  “泣きたいだけ泣け” って、成都が抱きしめてくれてたから。  1人で泣くのは、寂しい。 寂しいよ  成都…。 .
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