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日の光が瞳に入る。
「……あれ…?」
1人で起きれた…?
眠りが浅かったのも、あるのかも知れないけど
……起きれたんだ。
これで成都に迷惑かけなくてすむはずなのに、
全然嬉しくない。
いつの間にか、
当たり前になってて忘れてた。
オレは…
朝、一番に成都を目に映せることが幸せだったんだ。
キスだって
びっくりしただけで、嫌じゃなかった。
恥ずかしくて、逃げたんだ…
なんで?
あ…
オレは
恋愛の好きで、成都が好きだった…?
そばにいることが当たり前になり過ぎて
気付けなかった。
成都は、幼なじみなだけじゃない
ちゃんと、気持ちは育ってた……
オレ1人
気付かないふり、してたんだ‐…
気付いたら、家を飛び出してた。
ぴんぽーんっ
ぴぴぴんぽーんっ
インターホンを連打。
この際、近所迷惑は気にしないことにする。
AM5:32
流石に起きてないはずだけど
今、言わないと
きっと、いつまでも言えない。
がちゃり、
ドアが開いて
「……何…」
帰れと言わんばかりの不機嫌顔。
……負けるもんか。
「……1人で、起きれたんだ。」
一瞬、目を見開いた奴は
「……よかったな。」
と、呟いた。
「……嬉しくないんだ。」
「……は…?」
きょとんとした表情の成都。
「……朝、起きて……1番に目に入るのがお前じゃなきゃ、嬉しくない。」
頬が赤く染まってくのが分かる。
「それって…」
分かれよ鈍感っ!
「……成都が好きだ。………近くにいすぎて気付かなかっただけで、きっと…ずっと好きだった…。」
そう言って、
成都の広い胸に額を押しつけた。
赤くなった顔を
これ以上、見られたくなかったから……
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