442人が本棚に入れています
本棚に追加
その日の帰り道はテンションが下がりまくった。そのままのテンションで家に帰りついた。
家に着くと勇真がついさっき帰ってきたらしくマフラーを外していた。
「お。お帰り、なんかやけにげんなりしてるな」
「別に…はぁ…兄貴なんかには分からない悩みだよ…」
静かに俺を観る兄貴を観ていたらさっきマフラーを外したばかりの首筋からちらりとアザのようなものがみえた。
「何それ…首の…」
「ん…?…嗚呼…これか…ふん。こんなもので俺を縛れると思っているのか…?」
「しばる?」
「何だ?しょう太…お前知らないのか?」
「ほっとけよ!!で、何だよそれ!!」
勇真はイヤらしい笑みを浮かべながら言い放った。
「キスマークだよ」
「!?」
呆気。
コイツにキスマークを付けるなんてどうかしてる。
「なんだ?その顔は…」
「……!」
顔が熱くなる。
こんな奴大ッ嫌いなのに兄貴が誰かのものだと主張される事にイラだちを感じずにはいられない。
「付けてやろうか…?キスマーク。」
突然勇真は俺の腕をつかんだ。
最初のコメントを投稿しよう!