2、先生と俺様

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もしも学校の先生が自分の身内に似ていたら? それもとびっきり嫌いな身内が好意を持てる人のよさそうな人と似ていたら? 俺はどうすればいい? 「やっぱウッチィの授業分かりやすーい!!」 「ねぇ、宮センセは彼女いないんですかぁ?」 クラスの女子が授業中に先生に絡む理由は一つ彼がかっこいいからだ。 とびっきりのふわふわ笑顔にやさしく響く声。 天然がはいったかなり可愛い男教師だ。 「コラ!先生をからかうんじゃない!!」 「やーん!!萌える!!」 宮内 拓舞。ウッチィは生徒が勝手につけたあだ名だ。 俺はわけあって宮内先生と繋がってる。 「しょう太くん!!この書類もっていくの手伝ってもらえませんか?」 授業のチャイムと同時に宮内先生は俺に雑用を頼む。 偶々廊下で書類をぶちまけてあたふたしてる姿が哀れで助けたのが始まりだ。 それ以来すっかり俺になついてしまった先生はこうして俺を手足代わりに使うようになった。 「センセは、筋肉つけた方がいいよ。運動やりなよ。」 「うーん。僕はねっからの温室育ちだからね…」 そんなのは白い肌を観れば一目瞭然だ。 「あ…そうだ。しょう太くんにはお兄さんがいるんですよね?どんな人ですか?」 「う″…あんなの兄とは言えないッス…」 「え?確かにしょう太くんとはあんまり似てないよね!!」 違う…!!確かに似てないけど今のは悪い意味で言ったんですよ!!先生!! 「前も言いましたけどウチの兄貴は変態なんですよ!?同じ血が流れてるなんて思いたくないですよ!!」 「お兄さんが羨ましいな…ずっとしょう太くんといられて…」 「なんか言いました?」 「いや?」 そう。この時俺は気づいていなかったのです。 先生の気持ちなど 考えれば考えるほどどうしてこうなるのかさっぱり分からなかった。
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