瞳の奥の陰

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「母様が……」     母は吸生鬼の中でトップの実力を持つ。 父はその母の上を行く実力を持っている。     「呼んでいるのか?」     そう聞くと悲しそうな顔をして頷いた。   アオイとリヴァは兄妹。 だが地下にはアオイだけが閉じ込められている。     檻には電流が走っており、12歳の子供にはそう簡単には出られないようになっている。       理由は簡単。   吸生鬼としての能力がズバ抜けているので閉じ込めた。 その能力は両親共に追い越すくらいに。     母はそれが気に入らなかった。 リヴァは吸生鬼としては優秀だが能力は親より低かった。     ただ恐れたのだ。 実の息子にこの安定している座を取られることが。 .
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