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街はまだ眠らなくて、永久に続いている。
通りを歩く若いホストと女は軽い諍いをしていた。
エデンにはたくさんのアダムとイブがいる。
タクシーを捕まえ、私が乗り込むと結城さんは私に気を付けて帰ってね、と言った。
「じゃあ」
または言わない。
また、はもうないだろうから。
「ねぇ、しのぶちゃん」
最後に結城さんが言った。
「幸せになってね」
ドアが閉められ、手を振った。
振り返ると、私が曲がるまで結城さんはずっと立ったまま、手を振っていた。
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