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家に戻ると玄関のポーチに電気がついていた。
老いた父母は起きて待っていてお風呂に入りなさいと私に言った。
部屋に入ると、小さな豆電球がついていて、洗濯物が畳んでおいてある。
電球のスイッチを入れずにベッドに座る。
バッグを置き、煙草を出してくわえた。
私は何を守りたかった?
この家?
家族?
涙が止まらなかった。
誰も信用出来なくなったのは自分を信じれなかったから?
私はただ自分の自己顕示欲の為に、自分の立場を守りたかったの?
ふと、彼氏にすべてを打ち明けたくなった。
本当は歳は嘘なの。
30過ぎてるの。
家がお金持ちで大きな家に住んでるなんて嘘なの。
身体を売って、知らない男に抱かれて何千万も作ったの。
携帯を掴み、彼氏の番号にかけた。
「もしもし~」
彼氏の明るい声が聞こえる。
「もしもし…」
まだ私自身の戦いは終わっていないのだ。
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