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そもそものきっかけのは四年前に遡る、私にはお気に入りの場所が
あった。少し高台になっていて街が一望でき星がよく見えるその場所
誰も知らない私だけの場所思っていた場所に彼がいた。
『こんばんは』
「こんばんは・・・」
言葉少なに交わし私は彼と少し離れた場所に天体望遠鏡を置いた
夜にも関わらず月明かりに照らされた彼の姿ははっきり見えた
青みに近い髪色の長髪を一つに結んで女の子に見間違う位綺麗な顔立ち
をしている
「あのさ・・・ここよく来る?」
見とれていると突然声をかけられ焦った私は声が上ずる
『うっうん、お気に入りだから。貴方は初めて?』
私の反応にクスクスと声を殺して笑う彼を見て私は恥ずかしさで俯いてしまう
「初めて、でもいい場所だよな。君のお気に入りにはいって悪かったかな」
彼の問いに私は勢いよく顔をあげ手を振る
「そんなことない、大体ここは市の私有地だし。私のじゃないしさ」
彼は確かにと頷いてまた笑った、これが私と冬牙との最初にして
最後に逢った日。
「この写真は連写で撮ったの、こっちはね・・・」
最初の緊張が嘘のように私達は意気投合した、星の話を中心に距離が縮まる
彼は私の知らない星の話をよく知っていて話聞かせてくれた
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