扉を開く者。

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私はそっと瞳を開け辺りを見渡すと塀は目の前にあり 周りは見慣れた屋敷の風景ではなく外の世界が広がっていました 「一瞬だったろ?お姫様」 少年は私の様子を伺い知るように顔を近づけた後で 私の躰を地上へと下ろしコキコキと肩を手で押さえ首を鳴らしています 私は呆気に取られながらも少年を見れば頭を深く下げあげる 「ありがとうございます。・・・あの、お名前なんと申されるのですか? それに何故このような事をしてくださるのでしょう?」 私はずっと疑問に思っていたことをぶつけてみる 少年は肩から手を離し大きく伸びをすると 「名は秋人、紫陽秋人(しよう あきと)。あっ、様なんていらないからな。 何でってたまたま塀から屋敷覗いたら凄くつまんなそうにしてたからかな」 顎に手を添え考えを口にする秋人は私の頭に手を置きポンポンと叩くと 「まぁ、要は楽しませたかったかな。 さて、先ずはお前さんの服装をなんとかしないと。姫君とバレバレだからな」 秋人は私の頭から手を離し私の格好をマジマジと見詰める 私は頭に触れられた感触にビクつきながら 「秋人さ・・・秋人。この服装ではやはり問題があるのでしょうね」 私は自分の着物を改め見詰める。
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