妖艶な人と華香る。

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秋人に連れてこられたのは長屋の一角。花祭りのせいかほとんど 人の気配はなく秋人は片手でトンと木造作りの扉を叩くと中から 妖艶な女性が姿を見せる唇には血のように赤い紅、 着物は肩から胸元近くまで空いていて色白な肌がくっきりと鮮明に見える 「終わったのかい?そちらが見つけたお宝さまかい」 女性は秋人から私に視線を移すと物珍しい物で見るように 好奇な瞳が私を突き刺す私は無意識に秋人と繋がるその手に力が入る と秋人もその手をしっかり握ってくれた その様子に女性は私に近づき扇子で私の顎を撫で小さく声をあげれば 「そんなに怯えなくったって取って食ったりしないさ、 それにしても本当に可愛い顔してるじゃないかい。こんなところでも 何、着替えは用意してあるから中にお入りよ」 扇子を顎から離し女性は自分の口元に当て中に入れと顎で指す。 仕草の一つ一つが流れるように綺麗で無駄が無い人だと感じた 、秋人は促されるように私の手を引き長屋の中に入る中は 土間が直ぐ目に付き上がると畳10帖ほどの部屋があり 私達は草履を脱いで部屋に上がる
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