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廊下を軋ませ女中が小夜を見つけ近づく
「小夜様、こちらにいらしゃったのですね」
私は女中の声に耳を傾け女中の姿を不思議そうにその瞳に映す
「葵、そのように慌てどうされたのです?私に何か所用でも」
私が葵と呼ぶこの女中はまだ私が赤子の頃から付き全てのことを彼女、
葵が任せられている
長い黒髪に青を基調とした十二単を身に纏うのを好む
葵は聡明かつ見目麗しい女性でありました
私の様子に我に返る葵は自分の行動に羞恥し頬を赤く高揚させながら
私の隣に座ると
「申し訳ありません、いえ・・お部屋にいらしゃられなかったので」
心配そうに私の様子を伺う葵に短冊を見せにこり微笑み
「良いお天気だからこちらで詠を考えていたの」
葵は短冊を手にとり拙い字で書かれたその文を
目で追うよう黙読し短冊を私に返す
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