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葵はそんな私と父のやり取りを終始見届けた後で私の頭をひと撫でし微笑む
「迷惑ではありませんから、そうそう・・・町で今日は花祭りがあっているそうです」
花祭りという単語を耳にすると私は身を乗り出すように葵の顔を覗き
「花祭り?、行きたい」
とっさに口にした一言でも葵の表情が曇るのを見て
すぐにその願いは叶わないと知り葵から離れると空を仰ぎ見る
「・・・ごめんなさい。困らせて、気にしないで」
私は葵の悲しそうな表情を見るのが辛くて静かに諦めたとばかりに
布ずれの音をさせ片手を挙げる葵は何か言葉を紡ごうとした時
若い女中が葵に近づきなにか耳打ちすると葵は表情を更に曇らせ
若い女中に頷き私を見ると申し訳なさそうに眉を下げ
「小夜様、少し座を外させていただきます」
私は了解したと片手を振り葵を安心させるように微笑む、
葵は私の様子に微笑を浮かべ座を立つと若い女中と共に奥の院に消える
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