扉を開く者。

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何故、こんなことを言うのだろう? 私が世間知らずの姫だからからかっているのだろうかそんなことを考えてると 少年の顔が息がかかるほどに近づけられ 「からかうつもり?それとも人浚い」 私は図星をつかれドキリと大きく心音を上げる、 目を背けるように相手から逃げてみるも直ぐに 手を顎に当てられ少年の方へと向きなおさせられてしまうと こつんと額を重ね少年はクスリと笑い 「今のお前さんの頭の中、なんなのこいつ。無礼者って」 少年は額を離しスタスタと塀のほうまで行くと 綺麗な弧を描き塀の上へと着地すると呆気に取られる私を見ながら 「今宵・・月に雲が翳る頃、香月の方の姫君。小夜殿を頂きに参上致す」 そう言葉を残し塀の向こうへと消えていった
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