高校デビュー

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宗一郎を使わない手はない 和也はそう考えた イケメンは嫌でも目立つ ならば傍にいれば自分も目立つ と言う安易な考えを… 次の日から 和也の 『小判鮫作戦』が実行された とにかく、事あるごとに 宗一郎と組む 登下校、体育、昼食… 常に一緒に過ごした そんな企みとも知らない 宗一郎は どんどん和也を好きになり いつしか親友と思うほどになった 二週間くらいしたある日の放課後 二人は廊下を歩いていた 和也の計算通り 二人は目立っていた もちろん和也は日々、 目立つ努力は惜しまず 常にネタを持っていたし 宗一郎は天然でイケメンで バンドをやっている 目立たないわけがない しかし、この日はそれが災いした 目立ち過ぎて不良達の目に 留まってしまった 『お前なに見とんじゃ』 隣のクラスの後藤だ 後藤は中学から名の知れた 札付きの不良だ 陳腐なヤンキー語を 操り近寄ってくる 和也は内心 (面倒くさっ…) と思ったが周りが 注目している事に気が付いた (気持ちいいー) なんて和也が考えていると 後藤は繰り返し 『お前なに見とんじゃ』 と言う… 和也はとっさに 『あっち』 と言うと明後日の方向を指差した 不良達全員がそっちを見た 周囲からは クスクスと笑い声が聞こえる (気持ちいいー) と再び喜んでいると さすがに頭にきたであろう 後藤が殴りかかって来た (やっば~) と思ったが遅かった…
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