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な、なんと!どこに行く気だ司め!
それを追おうと立ち上がった瞬間、凜子は何かに動きを制された。
「このあとお暇ですか?それにまだ、名前を聞いていない。」
凜子の腕をやんわりと掴んだ桜庭という男を初めてまじまじと見た凜子は、かなり怪訝な顔をしたはずだ。
「暇じゃありませんし、間に合ってます。とにかく離してください!」
客の迷惑にならないよう潜めた声でいった凜子に悪びれないその男は、腕を引き寄せた。
「じゃあ、名前だけでも。でなければ、この手を離せないことになりますがいいですか?」
サーと血の気が引いたのはいうまでもなく、この男、容姿も服装も逸品だが、おかしい、とてつもなくおかしい。しかもかなりのS男さん?
なんて思考を一瞬で巡らせて、凜子は出ていく二人の姿を見てまた焦る。
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