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そのサイトに登録したのは、ただの暇つぶしにすぎなかった。無料のサイトだし、日記でも書こうかと思って登録したのはいいが、普通に登録したんじゃつまらないと、凜子は男として登録した。
だが、実際は自身のページを作ってプロフィールを書いた時点で満足し、もともとそういうことにうとい凜子はほぼ使いこなせていないといっても過言じゃなかった。
だが、ある日、サイト内のメールが届いた。
それがコスモスとの初めての出会いだった。
コスモスがメールしてきたきっかけというのは、プロフィールに書いてあった、山野草が好きですという一文だった。これは何の冗談でもなく、唯一凜子が人に誇れるもので、田舎育ちも手伝ってか、小さい頃から好きだった。
凜子が特に好きなのは、春の山菜と秋の花で、中でも……
「ロキさん、花好きなんだ!」
『うん、コスモスも名前に花を付けるぐらいだから好きなのかな?』
「うん、大好き。特にね、ワレモコウっていう花が好きなんだけど……知ってる?」
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