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「今、大変店内が混んでまして、相席をお願いしたいのですが、よろしいですか?」
店員が必死に何かをいっているのはわかったが、凜子はそれすらも聞いておらず、生返事を反した。
「ええ、どうぞ」
「ありがとうございます。では、こちらにどうぞ」
あ、司のやろう、コスモスのチェリー食べやがった!くそっ、恋人みたいじゃないか、ちくしょう。
出来ることなら出ていって殴りたいところだが、頼んだ手前それはできまい。
それを知ってか知らずか、司はこっちを一瞬向くとどうだという表情で笑った。
それを見た凜子は震えて怒りを押さえる。
あ~腹が立つ。お持ち帰りなんかしてみろ、明日殺してやる。いや、コスモスはそんな子じゃない。
勝手に理想を押し付けながら、凜子は二人の観察を続ける。
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