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ああ!相席か!
やっとことの成り行きを理解した。
「混んでいたので相席になったみたいですね。」
そうですねとまた生返事をすると、凜子はまた窓際を向く。今は相席になったからといって仲良く話している場合ではないからだ。
あ~私のコスモスが!
「失礼ですが、お名前は?」
相席の男はこりずに話し掛けてくる。
「はい?」
「だから、名前です」
「ガイア」
店の“名前”を答えると、男は吹き出したように笑い出した。
「ちがいますよ、貴女の名前です。まさか外人とは思えませんが……聞いてます?」
ちょいちょいと肩を叩かれたせいで、凜子は思わず振り返った。
にっこりと笑った顔に悪意はないが……名前を聞かれる理由もない。
「貴方に教える筋合いはないかと……」
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