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「そうですね、でも私は気に入った女性の名前は聞く主義でして……ああ、僕は桜庭秋人(さくらばあきと)といいます」
にっこりと笑った桜庭は、胸ポケットからケースを取り出すとそこから一枚紙を取り出し凜子に渡した。
名刺だ。
「ぷっ、ナンパってやつですか?」
勢いよく吹き出したにも関わらず、桜庭は嫌な顔をしなかった。
「俗にそうともいいます」
「あしからず、今はそれどころじゃありませんので。」
そうだ今は、コスモスを司の魔の手から守らなければ!お持ち帰りだってされかねない。
凜子が頼んでおいてめちゃくちゃな考えだが、司はそれぐらいに女にはモテるおとこでもある。同僚として付き合うのはいいと思うが、恋人としてはどうかと考える。
そんな二人が立ち上がったのを見て、凜子は慌てた。
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