毒りんご中毒

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  -毒りんご中毒。- 「あちぃ。」 葵の家のベッドでゴロゴロ。あまりに暑い気温と、全て読みかけのまま広がった雑誌達に溜め息ひとつ。いや、俺が散らかしたんだけどな。自分の家ならこんなに散らかっているのが許せなくてすぐ片付けるけど人の家だと面倒臭いとしか思えない。自己中B型ですから。 葵はというと、このルキ様をほったらかして部屋に籠もり仕事中。別にいいけど、いつものことだし。仕事してるときの葵すきだし。眉間に皺寄せて俺を邪魔ものにする冷たさが堪らない。だからわざと仕事中にずっと引っ付いて葵をキレさせたりもしちゃう。たまに出るドスの効いた関西弁で冷たく罵られるのは好き。本気で怒られるのは怖いからその前に止めるけど。 でも葵は仕事が終わると怒ったことを謝ってくる。俺を怒ることがそれほど嫌なのか最近は仕事部屋に閉じ込もってするようになった。ちぇ、つまんねー。マジで嫌だったんだな。俺は全然、気にしてねーのに。(寧ろ悦んでるし。) 冷たいには冷たいけど意外とヘタレなんだよな、葵って。 「…まだかよ、あいつ」 ちらりと時計を確認する。いつもならもう出て来るような時間帯。まだ葵は閉じ込もったままだ。ベッドサイドに置いたままだったペットボトルに手を伸ばす。一口飲めばすっかりぬるくなってしまったお茶が広がる。あぁ、退屈だ。お茶も不味いし葵もいねーし。仕事が終わったらコンビニ連れて行ってもらお。デザートいっぱい買わせてやる。 あまりに退屈で、あまりに暑すぎて、クーラーをガンガン効かせてリモコン握り締めて涼しいなか気持ち良く眠りについた。 「んー…、…」 目が覚めたころにはすっかり暗くなってしまっていた。リビングのほうから灯りが漏れてる、葵だ。仕事終わったんだーてぼんやりと考えていると、身体がぶるっと震え出した。長時間クーラーガンガンのところに寝ていたせいか身体が物凄く冷たい。  
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