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「京さん、人って美味いと思います?」
ついさっきまでの熱っぽさが全く感じられない静けさが漂う情事後のベッドで、突然るきが口を開いたかと思えばまた頭のおかしいことをほざきだした。
「…なに物騒なこと言ってんねん。喰う気なんかおまえは。」
気味悪いとは思ったが大して気にすることもなく適当にあしらって背中を向ける。無駄にデカいベッドは男二人寝ていてもまだスペースが空いてる。男二人ゆうても僕とるきは他の奴より小柄だが。
「気になっただけです。」
「そうか、美味いつーか…どうなんやろ。色んなもん喰っとるしな人間って。」
「でもきっと、美味いですよ。硬いとか不味いとか言われてますけど、それはきっと美味いって言ったらみんな興味持って食べちゃうからだと思うんです。京さんの言う通り、人間って色んなもの食べてるけど美味いんじゃないですかね?」
るきがセックスした後変なことを言い出すのはいつものことやけど、さすがに気味が悪い。いきなり語り出すものだからおかしくなったのかと思い、隣に寝ているるきのほうに振り返ってみると、その表情は意外にも穏やかだった。どうでもええけど気味悪いし言ってることめちゃくちゃやでおまえ。
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