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「それが愛する人だったら、きっと凄く美味いんだと思うんです。」
「……僕を喰う気か。」
「真っ白で綺麗な骨にキスして、肉は少し硬そうだけどきっと甘い味がして、…想像しただけでとろけそう。」
「……頭イかれた?」
何故こんなに落ち着いていられるのか自分でも不思議だ。穏やかに語るるきの横顔を見ていると不思議とこっちまでよくわからない柔らかい気持ちになってきた。僕まで頭イかれたんか。
「京さんは俺の身体、食べたくないんですか。」
「…るきやったら肉付きええから美味いかもな。」
「食べたいですか。」
「いや、僕が喰ったらおまえ居なくなるやん。」
「あ、そっか。俺が食べちゃったら京さんが居なくなっちゃうんだ。」
「耐えられんやろ、おまえは。」
「せっかくひとつになれると思ったのに。」
「喰わなあかんことやないやん。ヤったらいつでもひとつやろ。」
「そういう意味じゃないです!あ、じゃあ京さんが死んだら食べさせてくださいね。」
「はいはい。」
「約束ですよ!俺が先に死んだら京さんが食べてくださいね」
「わかったから早く寝ろ。おまえ明日仕事やん。」
「おやすみなさい!」
「ん。」
こんな気味悪い思考の奴が可愛いとか。変やな。
僕も同類なんやろか。
るきなら喰える気がする。
骨も肉も食べさせて!
(だってひとつになりたいの)
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