餓鬼なんだよ俺は

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  「これと……これ、後これと、この束もだな」  藤村は鞄を漁るように、一枚、また一枚の後に数枚の束になっているプリントを取り出す。 「いやー、お前が体調不良で休んでる三日間は色々大変だったぞ。よし、ほらよ」  取り出したプリントの束を軽く此方に放り、バラける寸前に俺の足元にバサッと落ちた。 「何か、全校集会があったり、こんな田舎にテレビカメラが来たり……詳しく聞きたいか?」  いかにも話させてくれと言いたげな表情を取る藤村。  正直に言うと聞きたくない、関わりたくないのが本音。  だけど、俺は聞かなきゃいけない。これは、俺に課された義務みたいな物だから。 「うん、聞かせて」と呟くように返事をした。  
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