餓鬼なんだよ俺は

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  「まぁ、あの日さっと帰された次の日、つまりお前が休んだ初日って訳だわな。緊急で二時間授業……まぁ、授業してないから授業ではな無いが、気にしたら駄目だ。が、あった訳だが、そりゃあ、まぁ長々しい校長の説法だったが、何時もと違って煩い俺達を制する事無く、淡々と話始めたよ。今回の我が校生徒の自殺未遂事件の概要を……まぁ、それが俺達のクラスメイトなんだがな」  藤村は、天を仰ぐような仕草を取り、中に煙を、空き缶に灰を落とす。 「で、まぁ、校長が淡々と話す訳だ。暫く、出入りがある警察の迷惑かけるなとか、彼の容体が良くなるようにとかな……」  ん? 「ちょっと待て!今、容体がどったらって言ったが……なんと言うか……自殺じゃないのか、いや、死んだんじゃ?」  藤村は皮肉な笑みを浮かべる。 「ばーか、良く聞けよ。自殺未遂だ。死んではいないよ。まぁ、この町の病院じゃ治療出来ないとかで、隣町の病院に搬送されたがな」 「そっかぁ、死んでないのか……」  なんか、少しホッとした。不謹慎だが、ホッとしたんだ。  また一度、空き缶に灰を落とした藤村は、俺に確認を取り、話を続けた。 「いいか?話続けるぞ、その日、他のクラスの奴はそれで帰されたんだが、さっき言った通り俺達のクラスだけ二時間目があった訳だ」
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