締め切り

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ガチャ そこには誰もいなかったが、視線を落とすとそこに身長の低い少女のような姿をした人が立っていた。 「こんにちは、弥生さん」 「桜井先生はいらっしゃいますか?」 子どもっぽい笑顔。 「あ、どうぞ」 「美味しそうな匂いですね」 「アップルパイなんですけど、食べていかれませんか?」 「先生の原稿の出来次第です」 弥生さんは微笑み、家の中に靴を脱いで入ってきた。 「先生、原稿上がってますか?」 玄関口での会話を聞いていたのだろう、そこには、紅茶の入ったティーカップとアップルパイがひと切れ乗った皿が用意してあった。
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