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「……」
弥生さんが帰った後も、桜井先生は喋らなかった。
小説の話をしてから、一度も手を付けていないアップルパイとコーヒー。
それをテーブルに残したまま、俺は弥生さんの皿とカップを洗った。
ついでに余ったアップルパイはサランラップをして冷蔵庫へ。
「……」
何となく……話しかけづらい。
今話しかけていい状況なのか、悪いのか。
判断がつけづらいから。
この人にとってあの会話は、どれほどの打撃を与えるのか。
「……」
かといって、黙って帰ったら今度呼び出される時何か言われそうだしな……。
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