締め切り

15/16
前へ
/310ページ
次へ
「……君を、抱いてもいい?」 「それは──弥生さんの代わりですか?」 冗談なのか本気なのか、顔が見えないから全くわからない。 「違う……」 弱々しすぎる声は、すぐにでもこの人の言う通りにしなければ、壊れてしまうかもしれないという不安を抱かせた。 「あなたの秘密を知る事を……私はできないんですか?」 何故恋愛小説を書かないのか。 「ごめんね」 先生は言った。 「今はまだ言えない……。自分で言うのはまだ……辛すぎる」 先生が困った声で言った。
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1737人が本棚に入れています
本棚に追加