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「わかりました」
俺は桜井を抱きしめた。
「何?」
「抱いてるんです!!」
こうでもしないと、本当に崩れ落ちていきそうで。
「……違う意味の『抱く』だって知ってるくせに」
すみません。
これが……今の俺にできる、最高なんです。
あなたの大した支えにはなれないかもしれません。
それでも……。
「仕方ないなぁ……。今日は……これで我慢する……」
俺の胸に顔をうずめた桜井は、とても小さく、弱く感じた。
「──中州。ありがとう」
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