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世界から除外されたんじゃない。
僕が、この僕が、零という仮面に隠れ、拒絶していたんだ。
名無しの言葉で僕は、僕を取り戻した。
名無し。
名無しともっと話がしたい。
いや、話せなくていい、ただ、お礼が言いたい。
僕を打ち砕いてくれたお礼が。
僕は窓から離れ、慌ててパソコンの前に戻った。
見ると、画面が更新されている。
名無し:これで君は変われる。
いや──変わる。
君の力で、変わる。
零:君はいったい何?
どうして僕の心を、気持ちを理解できるの?
ここで初めて、名無しの返答が止まった。今まで間髪入れずに返答していたのに。
しかし、暫くして、画面が更新され、名無しの言葉が表示された。
名無し:僕は君。 君自身だからさ。
──“名無しさんが退出されました。”
CHAT ROOM ~fin~
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