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拒絶した。
僕の全身全霊を使って、名無しを拒絶した。
なのになのになのに、名無しは僕の中に尚もずかずかと踏み込んでくる。
名無し:君の場所じゃない。
ここは零の場所であって、君の場所ではない。
何を言っているんだ、零は僕だ。
僕が作り出した僕だけの僕だ。
零は僕自身なんだ!
名無し:零は君じゃない。
君じゃないよ。
本当の君じゃない。
仮面を被らないで、ほら、怖くないから、仮面を外してごらん。
仮面なんて知らない。
仮面なんて被っていない。
なのに、涙が止まらない。
心臓じゃない……胸が痛い。
これ以上、僕に踏み込むな。
僕が、僕が崩れていくじゃないか。
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