75人が本棚に入れています
本棚に追加
いつもそう。
私の傍には、みんな1秒でも多くはいたくないって思ってる。
近づくのだってみんな嫌々。
“言わなきゃいけないことがあるから仕方ない、近づいてやるか”、って感じ。
そんなに嫌なら来なくていいのにさ。
こんなことも、もう慣れっこ。
今頃私がいなくなって、汐莉はホッとしているだろう。
そんなことを考えながら、私は地下のロッカーに向かう。
「あ、友慧。」
ロッカーに教科書をしまい終えたとき
また声をかけられた。
「…美穂。」
この子は戸崎美穂。
他の子とは雰囲気が違い、明るくて親しみやすい子だ。
この大学で私が唯一話が出来る人。
「大丈夫?友慧。何か顔暗いよ?今日は、この後バイト?」
「…うん。」
「そっか、頑張って!じゃまた明日ね!バイバイ♪」
美穂はそう言って笑顔で私に手を振った。
私も振り返すと、大学の出口を目指して歩き出した。
最初のコメントを投稿しよう!